医療安全とAi【全7回】 記事一覧
Aiとは死亡時画像診断という日本語訳が示すとおり、「死亡した時に画像診断をする」ものです。 医療施設の危機管理システムとしての Aiの実施を事務の方々からも提案していただけるように、 本シリーズでは、Aiについて具体的な事例を交えて説明していく予定です。
第7回 Ai症例⑥〜Aiでないとわからない(あるいはわかりやすい)事例
「正確な死因究明を行うには解剖が必要だ」と考える人もいるでしょう。生きている人に対する画像診断と手術が同じ土俵で争われる事が無いのと同様に、本来ならば、まずはAi(画像診断)そして必要な場合に解剖(手術)という流れになり、争うような立場にはないのですが、日本の現状では、解剖できる数が極端に限られているために、解剖なしで検視とAiで死因を決めなければならないことも多いのは事実です。今回は、全てが解剖でわかるわけではない、逆にAiでないとわからないこと(あるいはわかりやすいこと)もあるという事を呈示したいと思います…
第6回 Ai症例⑤〜入浴中の死亡事例
今までの連載で、Aiがどのように役立つのか、あるいはどういった症例に行うべきなのか。また、診療関連死などが疑われる場合には、まず、Aiを行っておくことが重要で、なおかつ遺族の信頼を勝ち得るためにはその画像を第三者が客観的に評価しなければならないということを実感していただけたでしょうか。今回は特に、画像の読影、それも、Aiに関する知識をもった者が読影することが重要だということを理解していただけるような症例を呈示したいと思います…
第5回 Ai症例④〜児童虐待の事例
今回は児童虐待の話をします。よく新聞やニュースでも取り上げられ、社会問題にもなっていますよね。虐待するのは残念なことに親が多いのです。医者が虐待された子供を診る時は子供がうまく話せないので親から意見を聞きます。だから医師とすると意見を聞くためにはどうしても善意の解釈をしがちで、よほど虐待だという証拠がない限りは児童相談所に通報しないということもあり得るのです…
第4回 Ai症例③〜海外の病院で死亡した事例
今回は、海外の病院で死亡した事例を紹介します。これは、たまたま入院し、死亡した先が海外の病院だったと言うこともありますが、実際には、国内の一般病院でも起こりえる事例だと思います…
第3回 Ai症例②〜救急搬送された場合
前回は、院内での突然死の症例を呈示しました。今回は、救急搬送された症例について呈示して、院内でどのような取り決めをしておくべきかなどについて考えてみたいと思います。
救急搬送症例は、院内症例と異なり、それまでの既往歴が不明なことが多く、また、どのような感染症を持っているかも分かりません。場合によっては、児童虐待、老人虐待、はたまた、殺人事件などの症例も含まれているかもしれないのです…
第2回 Ai症例①〜診療関連死が疑われた場合
今回からは、数回にわたって診療関連死が疑われた場合に、Aiがどのように役に立つか実際の症例を呈示して説明していきたいと思います。これは、Aiについて文章で説明するよりも、実際のAiの症例や画像を見て頂いた方がわかりやすいからです。まさに「百聞は一見にしかず」だと思います。医療関係者以外の一般の人々にとっても、画像を提示出来るAiがわかりやすくて客観的な証拠だということが理解して頂けると思います…
第1回 Aiって何?〜Aiの基礎知識
皆さん、Aiってご存じでしょうか?
人工知能の AI (Artificial Intelligence)や、歌手の AIさんのことではなく、 Autopsy imaging((オートプシー・イメージング )死亡時画像診断)の事を意味しています。 人工知能と間違えられないように、わざわざ “i” が小文字なのです。 iPS細胞が iPodみたいにはやってほしいという期待を込めて小文字にしたのとはちょっと違いますが…